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通院日を特別な日に変えたら、母が生き生きしてきた話

母娘で通院旅行を楽しむ様子

母には、50年以上付き合っている持病があります。

2〜3ヶ月に一度、通院して薬をもらう。 それが長年の習慣でした。

以前は通院のたびに私の家に泊まっていたのですが、私が遠方に引っ越したことをきっかけに、ある「ルール」を作りました。

通院の後は、ホテルに泊まる。

それだけのことなのですが—— 母が、変わりました。

定番ルートの誕生

今では、こんな流れが定番になっています。

通院 → ホテルチェックイン → 夕食 → 翌日、母の調子に合わせて観光

ホテルは、母がお風呂好きなので大浴場のあるところを選んでいます。 旅館のような大きなお風呂が、母にとって一番の楽しみのようです。

以前はラグジュアリーホテルに泊まったこともありました。 でも通院の後は早いチェックインが難しかったり、翌日も母の体調次第で急いで帰ることになったり。

「ホテルをゆっくり楽しむ旅」とは少し違うんですよね。

だったら、気兼ねなく泊まれるお手頃ホテルの方がかえって気持ちがラクで。 今はYahooトラベルで大浴場ありのホテルを探すのが定番になっています。

ホテル選びのポイントは大浴場のほかにもいくつかあります。

翌日の観光を前提にしているので、チェックアウト後も荷物を預かってもらえるかどうかも大切なポイントです。 母は荷物が多めなので、大きなロッカーや荷物預かりサービスが充実しているホテルだと安心です。

大浴場のあるホテルでくつろぐ様子

夕食は「シェアできるお店」へ

母は少食なので、普通の定食屋では量が多すぎてしまいます。

そこで気づいたのが、一品ずつ頼める居酒屋やバル系のお店

2人でいろいろなものをシェアしながら食べると母のペースに合わせやすいし、いろんな料理を少しずつ楽しめる。

母も「こういうお店、来たことなかった」と最初はびっくりしていましたが、今ではすっかり気に入っています。

ある大阪のお店で食べたアボカドとエビとチーズのグラタン風の一品が特においしくて忘れられないようで。 それ以来、母はアボカドを自分で買うようになったと言っていました。

食の新しい発見って、何歳になってもあるんですね。

母娘で居酒屋の料理をシェアして食事

翌日は、母の体調に合わせて観光

観光先は徒歩かバスで回れる場所を意識して選んでいます。

普段あまり歩かない母ですが、「私といる時に頑張って歩こう!」と一生懸命歩いてくれるんです。

そのせいか、夕食がいつもより美味しそうに食べてくれる気がして。 歩くことで食欲が出るのかな、と嬉しくなります。

最近はレストラン選びも体に優しいお店を意識するようになりました。

印象に残っているのは京野菜を使ったイタリアンレストラン。 素材そのままの味が楽しめて、ほっとゆずのドリンクもあって。 母が「美味しいなあ」と何度も言いながら食べてくれた姿が忘れられません。

印象に残っている観光スポットもいくつかあります。

プロジェクションマッピングの二条城

光と映像が城壁に映し出される幻想的な光景に、母も「きれいやなあ」と何度もつぶやいていました。

二条城のプロジェクションマッピング

梅の季節の北野天満宮も良かったです。

満開の梅の香りの中をゆっくり歩いて、母も「ええ季節に来られたね」ととても嬉しそうでした。

梅の季節の北野天満宮を散策

観光地に行くというより、一緒に同じ景色を見て、同じ空気を吸う時間が何より大切だと感じています。

母が変わった

このルートにしてから、母の通院への気持ちが変わりました。

以前は「病院へ行く日」だったのが、今では**「特別な予定がある日」**になっています。

母いわく「ストレス解消や!」。

週に2回来てくれるヘルパーさんにも、美味しかったものをリクエストして作ってもらっているようです。

友達にも「どこのホテルに泊まった」「こんなものが美味しかった」と話しているとか。

母が誰かに自慢できる話題ができた——それが、一番嬉しかったことかもしれません。

病院の待合室で並んで座る母娘

正直に言うと

いいことばかり書きましたが、たまにはケンカもするし、うまくいかない旅もあります。

交通機関が混んでいたり、お店が混んでいたり、母の体調が優れなかったり。

でも——

こうして振り返ってみると、いいことしか思い出せないんです。

人の記憶って、都合よくできているのかもしれません。

それでいいと思っています。

普通のことを「特別」に変える発想

通院は、避けられないことです。

でも、その後に楽しみをひとつ加えるだけでこんなに気持ちが変わるんだと、この数年で実感しています。

特別なことは何もしていません。ホテルに泊まって、美味しいものを食べて、ちょっと観光するだけ。

でもそれが、母にとってのセカンドライフの楽しみのひとつになっています。

次の通院日も、どこに泊まろうか今からちょっと楽しみにしています。


The best is yet to come. これからがいちばんいい。

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